トレーサビリティに関する取り組み
飛行時の安全担保および事故などの万が一の事態に備えて、納品する航空・宇宙・防衛関連製品には合格品証明書、材料証明書、プロセス証明書、検査成績書といった証明書類一式の提出が求められます。
こうした書類は「指定された材料」を「指定されたプロセス」で正しく作っていることを示すものであり、お客様に求められたスペックを満たしていることの証明でもあります。
証明書類をお客様にご提出する上では、部品製造の履歴を追跡確認できるドキュメントの管理が欠かせません。このことを踏まえ、当社では製品の品質チェックとは別にドキュメント類のチェックにも力を入れています。書類に不備がないか、お客様にご納得いただくための情報が整っているかなど、社内で精査してから一式揃えて納品しています。
オンタイムデリバリーに関する取り組み
航空機は自動車の100倍相当にあたる約300万点の部品から構成される一方、生産レートは自動車よりも著しく低い（ひと月で1〜40機程度）ため、必然的に多品種少量の部品手配が求められます。ファスナーやベアリングといったハードウェア、電子部品、ゴム製品、樹脂部品、機械加工品といった多岐に渡る製品をタイトなスケジュールの中で不備なく納品するには、きめ細かな受発注管理が欠かせません。
当社では国際規格「AS9120」を取得し、規格の要求に基づいて作成した独自の品質マニュアルを通して航空関連の総合的なサービスを提供できる体制を整えています。そして、コストを抑えつつオンタイムデリバリー（納期遵守）のニーズに対応するために、大口のお客様との取引が多い名古屋支店では次のような取り組みを行っています。
自社倉庫スペースを活用した受入確認検査
当社では輸入部品をいったん自社倉庫スペースで受け入れ、員数に過不足がないか、製品ラベルに誤りがないか、ドキュメント（証明書類）の内容とずれがないかなどを細かく検品してお客様に納入しています。過去に不適合が発生した部品は検品リスト上で分かる仕組みになっており、同様の問題がないかを事前に確認できる体制を整えています。
自社倉庫スペースを活用した仕入れ・分納対応
コストダウンや短納期のニーズに対応する上でも、自社倉庫スペースの活用は有効です。当社ではサプライヤーからまとめて購入したものを保管し、指定された納期に合わせて必要な数量を分納しています。まとめて購入すれば仕入れコストの削減につながり、必要数を保管しておくことで短納期対応が可能になります。それには、お客様との長期契約に基づいて発注の見込みを的確に把握しておくことが欠かせません。
自社営業スタッフによる納品対応
名古屋支店では基本的に宅配便を利用せず、営業スタッフが直接納品を担当しています。これによって配送過程における破損・紛失などのリスクを減らせるだけでなく、顧客の受入検査において不適合が見つかっても、内容の早期確認や速やかな引き取りが可能になります。当社スタッフが訪問することで受入検査を行うお客様側の品質保証担当者と対面で円滑にやり取りができるので、納入品に関するトラブルを減らすことにもつながります。